オールナイトライブについて

この間、短い歌をつくった。
愛する子どもを親が殺してしまう、という内容の。
ライヴで一回やったが、何とも言えない雰囲気になったような。拍手はなかった。
何も伝わってないのかもしれないが。
そんな歌はつくらなくてもいい。
が、なんでつくってしまうのか。
自分でもわからない。
日々、メディアを騒がす誰かの不祥事。それらを見る度、果たして本当にそこに「悪人」はいるのだろうかと思う。
多分、いない。
誰もが紙一重で、罠に落ちて「世間」の嘲笑の的になったひとを見て、私たちは胸を撫でる。
自分じゃなくて良かったと。

歌とは。
「世間」や「悪人」よりも、もっとずっとしたたたかな悪女みたいなものだと思う。
言葉とメロディーとリズムで、ひとの心にすっと入り込み、時には清涼剤に、時には薬に、時には毒となり。
死に至ることも、ないとは限らない。
優しさ、美しさに溺れて。
あの人達のように。

多分、オールナイトライヴをやるのは8年ぶりで。
ひとりで、午前1時から午前5時まで演奏する。
一夜を誰かとつき合わせてまで、鳴らすべきものがあるのだろうか。
今はわからない。
ただ、身体がそれを求めているから。

2017年の夏_