6_1_月

渋谷o-nestで『ギター』発売記念ライブ。
オープニングは昆虫キッズ、ゲストは曽我部恵一。彼らの演奏をステージ袖で見てて、思い切り楽しかった。昆虫キッズは一曲一曲、何かしらのポップを提示している。それを自分は理解や把握は出来てないかもしれないが、なんかやってるなとはわかる。
曽我部くんの演奏は、マーチンギターを抱えて、そのマーチンのギターのように、たくましく美しく、ちゃんと残る。軽々歌ってるようで、すごい汗をかいていて、ひるんだ。
そして自分の出番直前に、急に焦ってしまった。自分はからっぽな人間で、技術はないし、体力もない。なんで人前でやれるんだろうと思ったが、やるしかないと思って、震えながらやった。久下惠生さんのドラムが「自分、もっとやってまえ」と言ってくれる気がした。
将棋の羽生善治が、大山康晴名人の将棋の事を「盤面は見ないで、相手を見て指している」と評してたことをふと思い出した。
音楽はやらないでいいと思って、何とか最後までやれた。

聴きに来てくれた人達へ。

どうもありがとう。
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客席に前妻と息子がいて、ずっと聴いてくれていた。彼らに伝わればいいやとは思わず、伝わらなくてもかまわないと思って歌った。あたりまえのことだが、歌は他者に向かわなければ。『ギター』はそれをわかっただけのアルバムだったかもしれない。作ってリリースして、ライブをやってそれがわかった。