6_21_日

夜、急遽予定がなくなったので、渋谷に映画『レスラー』を見に行く。
今年見た映画では一番よかった。何てことない話ではあった。妻子と別れスーパーでバイトしながら、プロレスラーをやってるミッキー・ロークの肉体は老いぼれてはいるが圧倒的で、子持ちのストリッパー役のマリサ・トメイは何とも魅力的でじんと来る美しさがあった。最後に流れるブルース・スプリングスティーンの主題歌は、はじめ流れてきた時何が起こったのかわからないくらい素晴らしかった。
この映画を教えてくれた友人と痛飲。ボスことスプリングスティーンの話が出来て楽しかった。
ロックファンの間ではニール・ヤングボブ・ディランは聴くが、スプリングスティーン・ファンは少ない気がする。ニール・ヤングやディランはロックの哲学的な部分はわかるが、あまり面白くなかった。スプリングスティーンは一貫して街の人間を歌って、今回の主題歌も映画に合わせて作ったそうだが、歌詞も演奏もこんなレベルの高いところに来ていたのかと驚いた。
16歳の時に大阪城ホールに来たスプリングスティーンのライブをチケットが手に入らず、玄関にへばりついて耳を澄ませて中の音を聴いていたら、イベンターのひとなのか誰かが中に入れてくれた。コンサートの途中からホールの中に入って、そこは夢のようだった。
あれから何年経ったのか。自分は何にも変わっていないが、自分のやりたいことで人生を棒に振ってもいいやと思える映画とロックンロールに、今出会えたことは大きい気がした。

ボスの歌をまたじっくり聴かなければ。