6_1_日

6月。今日はとても晴れた。昨日から、もうすぐ三つになる女の子が泊りに来てて、息子と遊んでる。午前中、皆で散歩してたら近くに通る目黒線を見て「電車だよ」と言った。その言い方が可愛くて、今日何度も思い出した。息子も直に言葉を話す様になるのだろうか。全く想像出来ない。男の子は、喋り出すようで喋れない時期が一番面白くて可愛いとも聞いた。

5月で一応バイトは終わったが、またあの現場に戻りたい気分になってしまった。やってる時はきついなあと思っていたが、楽しいこともあった。本当はもう少し落ち着いた仕事を探さなければならないが、そういうのは自分に合わない気もする。
結婚して子どもが産まれても、音楽やって日雇いバイトしてるとは、大きな声では言えない。言えないが、音楽を自分の信念でやってることと、肉体労働の時間でお金以外の何かを得ているということを、息子にいつか伝えることが出来るだろうか。言葉にすると、結局ありきたりで嘘っぱちなものになってしまいそうである。言葉というのは、本当に不自由だなと思う。

僕は子どもの頃から、勉強も出来ず、体も丈夫ではなかったので、自分の父親や周りの大人、学校の先生のようなしっかりしたちゃんとした大人にはなれないだろうなと、薄々感じていた。その勘は残念ながら見事に当たってしまった。
その頃自分が出会ったことない、お金もなく、社会的信用もなく、でも楽しく生きているという大人というものをイメージは出来なかったが、どこかでそっちも楽しいし、かっこよさそうだなと予感していた。

夜、代官山でAZUMIさんのライブ。お店に友人達が来ていたので、ビールを飲んだ。ライブを思い切り楽しんだ。色々な胸のつかえが取れた。それにしても激しい演奏をしているAZUMIさんはそれほど汗をかいていない。ある落語家が、師匠から「芸事で汗をかいてはいけません」と教えられたという話しを思い出した。クールでないと、お客を巻き込む演奏は出来ない。ここのお店は安価なPAシステムだが、その粗悪さが今日はかっこいいグルーヴを生み出して、後半はすごい盛り上がりだった。

AZUMIさん、友達たち、お客さんと少し飲んで帰った。