7_1_火

友人の松永豊和さんが、サイトを立ち上げていた。

http://book.geocities.jp/monene39/

しばらく漫画作品の発表をしていなかった松永さんだが、ここで『邪宗まんが道』という自伝的小説を発表していた。めちゃくちゃ面白かった。自分の仕事に関わる様々な人間関係を赤裸々に書いていて、それでいて自分の苦しみも正直に告白している。誰しもこういう悩みはあるものだが、それにちゃんと対峙するのは苦しいし惨めになる。それを松永さんは、原稿用紙換算で544枚に活字を埋めた。おそろしいひとだなと思ったが、文章のタッチは軽みがあって、感情的にはならず至ってクールだ。

松永さんは僕のライブによく来てもらって、何度も飲みに行った。そしてライブの三日後くらいに、必ずライブのアンケートを郵送で送ってくれた。

飲みの席では、時々酒の勢いで言葉が荒くなる僕を「自分、そんなことまで言わんでええ」と制してくれる優しいひとだ。東京に来て色々なひとにあったが、物作りのことをずっと考え、態度にブレがないひとというと、まず松永さんが浮かぶ。言ってる事とやってる事が一致している。

もうすぐ新作アルバムの録音なのだが、その前にこれを読めてよかった。松永さん、ありがとう。