7_3_木

夜、高円寺円盤にて我々の小松さんのイベント。はじめ神戸から来た灰皿の坂口くんがキーボード・ソロのライブ。その後、小一時間演奏した。自分で演奏していて、いまひとつ音がパリッと聴こえなくて焦ったが、そういう時は無理せずただちゃんとやろうと祈る様に思って、何とか演奏を終えた。

終わって、店主の田口さんとCDの話しなど。「若い子達は音源はタダで貰えるものと思ってるから」と言ってて、これからどんどんそうなっていくのかなあと思った。CDR作品がたくさん置いているのだが、売れ筋は300円〜500円で、そういうものしか売れないとも言っていた。お金が無いからというわけではない気がするのは、若い子は洋服などには高いお金平気で使っているし、遊ぶ時は遊んでるはずで、音楽が「タダ、安いもの」と思っている、あるいは思わせれているだけなのかもしれない。

それから小松さんと無力無善寺でやっているイベントへ。中川五郎さんが女性ミュージシャンをバックバンドにして、歌っていた。その様がちょっと酔っぱらっているかのように破けてて、面白かった。だが、曲間のMCはさすがに五郎さんで、きちんとした言葉で、そのまま文章にしてもわかりやすい。そして、ジョンの「イマジン」の日本語ヴァージョンに入るのだが、惜しい事に歌詞があまり飛んで来ない。活字にした方が届く言葉のようで、その場で空気を震わせると、なぜかあんまり届かない言葉というのもある。

歌詞がこちらに飛んで来るようだった経験というのは、めったにないのだが、圧倒的だったのは、何年か前に見た山下達郎RCA時代の曲のみをやるコンサートで、吉田美奈子の歌詞は客席までビュンビュン飛んで来た。山下達郎の音楽がすごい好きというわけではなく、またその時のコンサートはグルーヴ演奏をしていても、客席は皆クラシック・コンサートのようにちんと座っていて窮屈だったが、その歌詞にやられる体験はとしては、間違いなくそのコンサートが一番だった。言葉で「かっこいい」とか「お洒落」という風に感じるものなんだと驚いた。

そんなことを考えながら、帰宅。高円寺にいると、街の密度、情報量がすごい。田口さんは、ここ3,4年CD買ってない、と言っていたが、確かにあの街で店をやっていれば色々なひとが来るし、音も聴けるから買わないだろう。目黒に着くと、相変わらず暗い感じで、しんとしている。定食屋に入ったが、客席にあんまり好きな感じのひともいない。まあ、そう文句ばかり言わなくていいやんと自分に言い聞かせながら、めしを食べた。