9_1_月

夜、テレビでスガシカオさんが新曲を演奏していた。その歌の、あまりの陳腐さに驚いた。つまらなすぎて面白いというわけでもなく、本当にただ単につまらない。よくあんな曲を人前で歌えるなあと、その無能さをさらけ出す勇気はすごい。
デビューした頃は、何か心が破けそうだから音楽をやっている感じがしたが、今ではあんなことになってるのかと愕然とした。舞台はメジャーだが、やってることはマイナーよりもケチ臭いマイナーだと思った。

売れているものメジャーなものこそ、金と力が集まり、すごいものが作れると思っている。映画『ダークナイト』は、圧倒的だった。最高のエンターテイメントでありながら、観客に突きつけるものの大きさと強さも最強だった。思い切り楽しませて、見終わってこれほど気が重たくなる映画もない。
そんなものと日本のメジャーの音楽を比べてもしょうがないが、もう気合いも何もないのだなと思う。何かにぶらさがっていくという執念だけが目につく。

テクニックがあり、そこそこ人気のあるバンドやミュージシャンも、今はメジャーで活動してなく、インディーでやってる。その何千人かのお客さんをつなぎ止めることで精一杯だったりする。それはそれで健全なのかもしれないが、ファンを裏切ることも出来なくて、身動き出来ないようにも見える。

僕はただ自分が本物だなと思う音楽をやっていく。それで、お客さんがいなくなっても構わない。たった一度の人生、自分がやってることで、言いたいことを言い切るしかないし、それだけは出来てるから生まれてきてよかったと最近は思っている。