9_20_金

台風がゆっくり近づいている。こうして夜、激しい雨音を聞いていると、前住んでいた木造アパートのことを思い出す。住み心地はよくなかったが、結構長い間住んでいた。30代前半という一番動ける時に、あのアパートでうずくまっていた。データとしては、ライブ、ツアーの本数も多く、アルバムも出し、書き物もして、色々イベントも出たが、時期としてはうずくまっていたとしか言いようがない。

思い出や想いが、あの頃作った歌に残っている。それらを懐かしいという気持ちでは歌わない。いつも歌う時、あの頃が蘇り、悔しくなったり愛しくなったり泣きそうになったりしながら、でも今歌わなければと思い、歌う。あの頃を、そして今を抱きしめてあげなければと思う。

4日に久下惠生さんとやった「人体実験」は、そんな感じだった。

その頃関わっていたひとが、今は殆ど疎遠になってしまった。死んだひともいる。自分はまだ人体実験を続けていくのだろうか。

スピリチュアライズドの『Songs In A&E 』をずっと聴いている。サウンドメイクも面白いと言えば面白いが、声だけで信じていい気持ちになる欧米のシンガーは、本当に久しぶりかもしれない。