5_19_月

朝、朝食を食べようとしたら、食欲がなかった。食べないと仕事にならんので、頑張って口に運ぼうとするが、どうにも食べれない。足下で遊んでいた息子が、「父ちゃん、大丈夫かい?」と心配した顔で見る。ん?おまえが腹が減ってるのかなと思い、テーブルの上のバナナを半分上げたら、さっきミルクを飲んだばかりなのに、あっという間に食べた。もう半分もあげようとしたら、ニテっと笑ってそれもあっという間に食べた。


仕事は相変わらず、まああっという間だった。帰り、荷物置き場になっている長椅子にいつも見る女性の鞄があった。夜勤で働く女性はなかなかいない。かなりの人だろう。鞄から分厚い図書館で借りた本が見えた。円地文子全集だった。

品川駅の港南口入り口で、中国人の若者達が、悲痛な声で災害募金を呼びかけていた。大変な災害なのはわかるが、誰も募金しようとしていなかった。僕もしたかったが、働いて手に入れた金は家賃の分なので出来ない。

こんな所で声を叫ぶ様に募金を呼びかけるより、みんな運送屋で夜勤で働く方がよっぽどお金になるぜと言いたかったが、そんなことはせず、しれっと前を通り過ぎて、家路に向かった。