11_3_月

11月1日、大阪の肥後橋のAD&A ギャラリーで、西光祐輔写真展でのイベント。肥後橋を歩くなんていつ以来だろう。grafでライブをやったのは2005年だったが、どう行ったのか全く覚えていない。雪が降ったひどく寒い日だった。祖父の葬式が終わってから行った。

1日は土曜日でオフィス・タウンである近辺には人はあんまりいなかった。

ギャラリーはビルの1階、2階部分で広かった。西光くんの写真展は今年頭に渋谷で見たが、その時よりも写真点数は多く、特に2階の風景の写真、それをコラージュしたものはかっこよかった。彼と知り合いでなくても、その写真には心捕らえられてしまうだろう。写真でしか生まれない空間による情緒が、そこにあった。

写真展のタイトルは、Catch as catch can。その名の通り貪欲な写真展であった。その中からテーマを見つけて絞った方が、ひょっとしたら見やすいしわかりやすいかもしれないが、そうでなくてよいなと思った。大阪の街に合ってたのかもしれない。

イベントは90分あっという間であった。みんな真剣に見てくれていた。僕もギブソンLG-2の調子がよく、やりながら気持ちよかった。50年製のギター、そろそろ寿命かなと思っていたが、まだまだ使える気がする。ギャラリーでのライブは、PAなど不備な部分はあるが、その方が空間を作る楽しみがあり、それが映像とどう絡み合えたのかはわからないが、ライブならではの面白さがあったと思う。

見に来てくれた人達へ。

どうもありがとう。


写真展は5日まで。

http://www.adanda.jp/

1000円の写真集「モンロースマイル」も販売中。

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その日は朝方まで飲んだ。ホテル関西に投宿しようとしたが、満室で、ニュージャパンのカプセルホテルに泊まった。カプセルは落ち着かないが、大浴場やサウナが使えるので、ホテ関よりこっちの方がいい気がした。タイ式マッサージが1万円程なのだが、人気ありそうで、何か秘密があるのか気になった。

翌日は実家に昼間帰り、午後は大阪の街をひとりで歩いた。飛田新地の辺りをうろうろした。最近再読してる黒岩重吾の世界ではある。現代は現代でドラマがあるんだろうなと思ったが、そういうものを書く小説家がいないのが淋しい。まあ書いてもそんなものを読みたいと思うひとはいないだろう。

白いTシャツ、黒いジャージのパンツで、子犬を散歩させている女の子がいた。20歳くらいの顔の綺麗な子だった。通りにあるマンションにすっと入っていった。この辺りで働いているのだろうか。そういう感じはしなかった。真っ白に赤いラインのアシックスのシューズがやたらかっこよかった。
こういう光景を目の前にすると、ガクッと打ちのめされたような、でも腹の底からうれしくなるような感覚になる。ああ、どんなかっこいい音楽や写真もこういう女の子には負けるんだよなあと思う。

思えば大阪にいた頃は、こんな事はしょっちゅうだった。東京に来て、ある意味楽なのは、街で打ちのめされることがないからかもしれない。街に負ける時があるのは、自分にとってはやっぱり大阪だけなのかもしれない。ひどく自分が情けなくなるが、だからこそ何か自分のやってることへの弁明を考えて、それがひとつの自分の軸になっていたと思う。

夕方、高校時代の友人と軽く飲んだ。気の置けない友人と楽しい時間だが、自分の事を的確に言い当てられる事もあり、それが痛くも有難い。

最終ののぞみで帰京。品川で下りて、五反田からタクシーで家に戻った。

今日は疲れがちょっと出て、のんびり過ごす。使いやすそうな安いボールペンを買った。何か書きたくなって、ファクスなど送った。ギブソンも休めているが、もうすぐまた録音。アルバムの最後の最後で色々差し替えや録音し直す曲が出て来たが、いよいよ今週で終わるはず。

今月のソロライブの予約受付開始。

12月の先行レコ発の予定もアップ。アルバムは2009年1月1日発売。レコ発ツアーで先行販売する。

http://www.toyotamichinori.com/live_event.html