6_30_火

夜中、息子は身体を痒がって起きてしまう。まいったなあと思っていたら、ステレオを指差して「パパー」と言うから、アルバム『ギター』掛けようかと言うと、「うん」とこっくりうなずく。小さく流すと1曲目の途中でぺたっと身体をくっつけて寝っころがってきて、じっとしてるから寝たふりかな?と思ったら、もう寝てた。

友人の写真家から電話。youtubeで見た僕のPVの文句や、レコ発ライブの批評やあれこれ。彼はいつも文句言ってる。同業者と全くつるまない今では珍しいタイプの写真家だが、まあそんな男がいてもいいだろう。
映画『レスラー』の感想を聞いたら「絵的には200点。でも人間の描き方が浅い。もっと激しくて、美しくて、笑えて、残酷なものかと思ってた」と言うから「でもスーパーのシーンとかよかったやん」と言うと「いや、あそこはもっと描ける」と言う。確かになんか引っかかりがなく、最後のブルース・スプリングスティーンの歌で泣かされた気もする。「まあ映画は浅くても、最後の歌が深いからええやん」って言うと「いやあ、あの歌が良すぎるんだよ。街中でフルチンで泣きながら踊っているやつがいたら、それはオレだろって歌は」「いや、ちょっと違うけど、まあいいや」。
確かに『レスラー』をひとに勧める時、いや、スプリングスティーンの新作アルバム買った方がいいかもとちらっと思ったりする。
だけどあの映画を「人間の描き方が浅い」という友人は、寡作ではあるが、次の写真集は楽しみかもしれない。

夕方、息子を迎えに行き、またひじきを煮て、肉野菜炒めを作る。寝る前「もういいかい、まあだだよ」とひとりでかくれんぼをやっていた。