9_29_火

夜、新宿からの帰り、職安通りの韓国広場でノグリラーメンなど買った。これにネギ、海苔、ニンニクを下ろしたもの、卵の黄身を落として食べると、しばらく風邪はひかない気がする。
新大久保の韓国料理屋が並ぶ辺りを歩いて、ふと、ここは日本だからどこでも入れるんだよなと思ったりする。それにしてもこの辺りは本当にもうハングルばかりだ。
少し雨がぱらつく中、安ホテルが並ぶ暗い細い路地を行こうとすると、青い傘を差した女がどこか外国の言葉で鼻歌を歌っている。ほがらかなメロディーで、明るい声色。彼女は街娼で、客をひいてるようだが、青い傘の下の顔はきれいで可愛らしかった。自分の国の歌をうたいながら、異国で客を引き、身体を売る。そのことが、せつなかったり、かなしいこととは思えなかった。この子の歌を聴きながら、眠りにつけたらしあわせだろうなと思った。何だか気が遠くなるような思いで、その場から駅へと歩いた。彼女の歌が忘れられない。