1_5_火

息子と帰京。

正月は大阪の実家でのんびり過ごした。と言ってもあっという間だった。実家を抜け出して、街にも出た。
色々なことを思い知る。これだから帰省はしんどい。しんどいが、逆に東京に自分がいる理由もわかって、また一年頑張ろうかあという気にもなる。
祖母が息子に会う事を喜んでくれてよかった。
息子はいつの間にかみかんを自分でむいて食べれるようになったり、靴下を玄関で脱げるようになった。
夜、一緒に寝ても、寝相の悪い二人はてんで違う方向を向いて寝てるが、朝方冷えた頃に息子が「さむい、いっしょにねよ」と言って、目をつぶったまま両手をこっちに伸ばす。布団を被って、抱きあって寝た。

友人らと西成で会って遊んだ。「去年も不景気だったけど、今年の正月は本当にひとは少ない」と街の女性が教えてくれた。
釜ヶ崎も異臭はするが、普通の街のような大人しさだった。

自転車で走る若者とすれ違った時、ふいにマイケルの「今夜はビート・イット」が聞こえた。若者が携帯電話から流していた。
まさかマイケルもドヤ街の真ん中で自分が作ったポップソングを聞かれてるとは思わないだろう。
かっこいいやつだと思った。

自分もかっこよく音楽を聞いていたい。

作るのはその次でいい。